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株式会社トイロジック

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共有ストレージの性能問題をQNAPのオールフラッシュで一挙に解決

家庭用ゲーム機を主たるターゲットに、ゲームコンテンツの開発を手掛け、成長を続けるトイロジック。同社では、数多くのゲーム制作担当者が共用するネットワークストレージの性能問題を解決すべく、QNAP社のオールフラッシュストレージを導入、大きな投資対効果を得ている。その成功の要因はどこにあったのか──。
サクセスストーリーの全容を明らかにする。

 
toylogic_logo.png会 社 名  : 株式会社トイロジック
所 在 地  : 東京都豊島区北大塚1-13-17
設  立 : 2006年12月1日
従業員数 : 130名(2017年1月現在)
概  要 :
「遊び心」と「技術力」を融合させ、「喜び・驚き・感動」を生み出したいとの思いから設立されたゲームソフトメーカー。家庭用ゲーム機、PC、スマートフォン向けのゲームソフトを企画・開発・販売する。
 

課題

  • 制作系のデータを一元的に管理するネットワークストレージが性能上の限界に達し、ゲーム開発・制作の生産性に悪影響を及ぼしていた
  • 同じネットワークストレージ上に、40台の仮想サーバーのシステムディスクも配置され、仮想サーバーのレスポンス性能も悪化していた

ソリューション

  • HDDベースだったネットワークストレージを、QNAPのオールフラッシュストレージ「TES-3085U」へ移行
  • 退役したNASを再構築して、最新版ファームウェアで活用

効果

  • ストレージの性能が大幅に向上し、ネットワークストレージからデータを取得する際の待ち時間が、従来の約10分から3~4分に短縮化した
  • 仮想サーバーのレスポンス性能がおよそ10倍に高速化された
  • QNAPの最新版ファームウェアにより、スナップショット/自動階層化機能の利用が可能になった
 

ストレージの性能が生産性向上のネックに

トイロジックは、2006年に設立された新興のソフトメーカーだ。主として家庭用ゲーム機に向けたコンテンツの企画・開発/受託開発・販売を手掛け、売上げを順調に伸ばしてきた。最近では、「Xbox」対応のオリジナルコンテンツ「Happy Dungeons」を開発し、海外市場を中心に販売する一方で、「ドラゴンクエストXI」の開発にも参加している。

周知のとおり、家庭用ゲーム機は世代が変わるたびに性能が大幅に向上し、それに対応したコンテンツの開発規模や開発時に生成・使用されるデータの量が増大の一途をたどってきた。「実際、現世代機向けのソフトであれば、開発時のデータ量が1コンテンツ当たり1テラ・バイト(TB)~数TBに及ぶのが通常です」と、トイロジック 情報システム&ネットワーク開発部プログラマーの浅見俊則氏は説明する。

トイロジックでは、こうした制作系のデータをネットワークストレージで集中的に管理し、制作担当者(開発者やクリエイター)に共用させてきた。その中で、事業が拡大し、制作担当者の数も、管理すべきデータ量も急カーブを描いて増え続けていった。結果、ネットワークストレージの性能が限界に近づき、それが制作の生産性に悪影響を及ぼし始めていたという。

「とりわけ、多くのスタッフが出社する朝の時間帯は、全員が最新のビルド(※1)を一斉に取得しようとします。そのためストレージへのアクセスが集中し、各自が最新ビルドを取得するまでに10分程度待たされるケースが常態化していました。また、社内で使っている約40台の仮想サーバーのシステムディスクも、やはりネットワークストレージ上にあり、仮想サーバーのレスポンスも悪化していたのです」(浅見氏)。

※1 ビルド:ソースコードのコンパイルや、データ、ライブラリのリンクなどを行い、実行可能ファイルを作成すること

 

問題の一挙解決を目指し、オールフラッシュへの移行を決断

こうした問題を一挙に解決すべく、トイロジックが選択したのが、ネットワークストレージをオールフラッシュへと切り替えることだ。これまで同社では、メインのネットワークストレージとして、HDDをベースとしたQNAPの「TS-EC1679U」(3.5インチ×16ベイ)を活用してきた。それを、SSDベースのオールフラッシュストレージに移行させる決断を下したのである。

この決断の下、複数のオールフラッシュストレージの比較検討を進めた同社は、最終的にQNAPの「TES-3085U」(2.5インチ×30ベイ)を選ぶ。理由の1つは、TES-3085Uが小中規模のネットワークを対象にした価格性能に優れたストレージであることだ。また、同社では創業当初からQNAP製品を活用しており、運用のノウハウを蓄積していた。それも、TES-3085U選定の一因となったようだ。

「大規模システムでの利用を前提にしたエンタープライズ用途のオールフラッシュストレージは、非常に高額で我々の身の丈には合いませんし、当社内のネットワーク規模から言って、そのようなストレージを使う必要もありません。当社がオールフラッシュストレージに求めたのは、コストパフォーマンスの高さであり、拡張性です。TES-3085Uはそうした要件をすべて満たしていました」(浅見氏)。

こうしてTES-3085Uを導入したトイロジックでは、同ストレージに12基のSSDを搭載させ、活用している。

「12基のSSDを搭載させても、まだ18ベイが空きの状態です。ですから、導入した1つの筐体で、現状の2倍以上に容量を拡張できる計算です。しかも、TES-3085Uは拡張エンクロージャーにも対応しているため、さらなる拡張も可能です。また、エンタープライズ用途のストレージとは異なり、TES-3085Uでは、ユーザーが自らディスクを購入し、装着するのも容易です。こうした扱いやすさや拡張性によって、データ増へのすみやかな対応が実現されると考えています」(浅見氏)。

 
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トイロジックのゲーム開発用ストレージとして新たに導入されたQNAPのTES-3085U(上)と、今までのメインストレージだったTS-EC1679U(下)
 

制作担当者の待ち時間を大幅に短縮、ファームウェア更新で旧機種も性能改善

トイロジックがTES-3085Uを導入したのは、2017年9月のこと。導入後すぐに、開発中のタイトルのデータも含め、多くのデータをTS-EC1679UからTES-3085Uに移行させ、運用を開始させた。

「結果として、制作担当者がネットワークストレージからデータを取得する際の所要時間が、アクセス集中時でも3~4分程度に短縮されました。100名以上いるスタッフ全員の時間単価を考慮すれば、仮にHDDストレージよりもTES-3085Uが100万円程度割高だったとしても、すぐに回収できる計算です」と浅見氏は語り、こうも続ける。

「制作担当者にとっては、データ取得までの待ち時間が長いと集中力の妨げになります。それを減らせたことは大きな効果と言えるでしょう。また仮想サーバーのレスポンス性能も体感で10倍くらい改善され、運用も楽になりました」

一方、これまでメインストレージだったTS-EC1679Uについては、QNAP製品共通のファームウェア「QTS」をアップグレードしたうえで、新たなディスク構成での運用を開始している。QTSの最新版では、ストレージの自動階層化機能「Qtier」がサポートされている。そこでトイロジックでは、TS-EC1679UとSSDでストレージ階層を構成し、SSDをQtierの高速ストレージレイヤーとして機能させることにした。これによって、頻繁に利用される直近データについてはアクセス性能の改善が見られたと、浅見氏は話す。

「加えて、QTSにはスナップショット機能も用意されているため、エンドユーザーがうっかり消してしまったデータを復旧させることも可能です。このクラスのストレージで、スナップショットや自動階層化の機能を実現できる製品は他にありません」

次々に新たなゲームタイトルを作り続けているトイロジックにとっては、データのバックアップやアーカイブも課題の一つだ。現状では、制作が完了したタイトルはメインストレージから別のストレージにデータを退避させているほか、QTSに搭載されているバックアップ機能を使ってクラウドへのバックアップも行っているとのこと。

「当社がICTインフラを改革する最大の目的は、より良いゲームコンテンツを皆様にお届けするためです。この観点から、ストレージやネットワーク、開発環境などインフラの改善を今後も進めていきます」(浅見氏)。

 

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「仮想サーバーのレスポンス性能も体感で10倍くらい改善され、運用も楽になりました」

株式会社トイロジック
情報システム&ネットワーク開発部
浅見 俊則 氏

 
トイロジック システム構成
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