Qtier
ストレージ階層全体にわたる定常的なデータ最適化
Qtierはホットデータとコールドデータを自動的に階層化します
Qtierは、頻繁にアクセスされるデータを高性能ドライブに、アクセスの少ないデータを安価な大容量ドライブに自動的に移動する自動階層ストレージソリューションです。企業にとって、ストレージのアプリケーション性能が大幅に上がり、同時に総所有コストを削減できます。
より優れたコスト効率
高パフォーマンスストレージの需要は、ソリッドステートドライブ(SSD)の価格が近年低下していることで上昇しています。SSDは高いIOPSと応答時間を提供します。このため、高速で一貫したパフォーマンスを必要とするデータセンターアプリケーションにメリットがあります。ただし、SSDのギガバイトごとのコストは以前として従来型のハードドライブ(HDD)よりも高額です。このため、頻繁にアクセスしない(コールド)データを格納するアプリケーションにとってはHDDがより経済的なソリューションです。
Qtierは自動的にアクティブなデータを高パフォーマンスドライブに移動し、高いパフォーマンスを実現して、ストレージパフォーマンス評価、レイアウトデザイン、データの移動などのタスクにおける管理者の役割を軽減させることでコストのメリットを生み出すことができます。
Qtierを利用するメリット
ストレージ効率の最適化
高性能SSD、SASドライブ、高容量SATA HDDディスク間のアクセス頻度に基づきデータを継続的に最適化します。
高性能
現在のタスクのアクティブなデータを高速ストレージ層に移動することで、全体的なシステムパフォーマンスを向上します。
コスト節約
企業はSSDの購入数を減らし、高価なフラッシュストレージへの出費を抑えることができます。
簡単セットアップ
Qtierプールを作成し、階層化RAIDグループを追加して、ストレージ&スナップショット機能から簡単に階層化のスケジュールを設定できます。
スケジュール
忙しい業務時間に最適化されたシステムパフォーマンスを発揮できるように、週末や夜などのオフピーク時間帯に自動階層化を実行できます。
パフォーマンス分析
自動階層化の統計や履歴を確認し、自動階層化ポリシーを正確に評価できます。
柔軟な管理によるスマート階層化
いつでもQtierを使うことが可能
ストレージプールの作成中や、既存のストレージプールのアップグレード中に、ストレージ&スナップショット機能でQtierを有効化してQtierをいつでも使用できます。
キャッシュングからQtierにSSDを簡単に切り替え
NASをオフラインに切り替えることなく、SSDキャッシュアクセラレーションからQtierにSSDを簡単に切り替えることができます。SSDキャッシュを無効にし、キャッシュからSSDを削除して、Qtierストレージプールに追加することで、より優れたパフォーマンスとさらに多くのストレージ容量を実現できます。
Qtierのハイライト
自動学習
Qtier 2.0~は、ストレージプールの読み込みと書き込みI/Oをインテリジェントに分析し、自動階層化を行うためのベストタイムと最適な転送速度を判断します。これにより、日々の学習から最適なストレージ効率の提供が可能になります。
Qtierオンデマンド
ストレージプールの作成時にQtierを設定することや、既存のプールに後で設定することができます。SSD、QM2 PCIeカードを柔軟に取り付けたり、拡張ユニットをNASに接続できます。また、ストレージおよびスナップショットで新しいストレージ階層を追加できます。
I/O重視のQiterによる高性能
Qtierは、キャッシュのような容量をSSD階層に確保し、リアルタイムでバーストI/Oを処理します。この確保した容量は、SSD階層の容量が少ないときでさえIOPSインテンシブなアプリケーションの処理を続行して、変わらないストレージパフォーマンスを保証します。
アロケーションプライオリティ
Qtierを手動で構成することができるため、フォルダーに書き込まれたデータは常に指定のストレージ階層に保存されます。そうすることで、システムとアプリケーション需要に応じて階層化ストレージの配置をカスタマイズでき、IOPSを要求するタスクのSSDの使用率を最大化することができます。
SSD RAID設定とタイプの柔軟な変更
QTS 4.4.1~では、SSD階層においてSSDを柔軟に変更でき、RAIDグループでのSSDの追加と削除、グループのRAIDタイプの変更、またはSSDタイプ(SATA、M.2、QM2)の変更を行うことができます。
QNAP NAS上でのQtierの有効化
3レベルの階層化ストレージ
Qtierでは、超高速階層(SSD)、高速階層(SAS)、大容量階層(SATA/NL-SAS)の各種ドライブの3つのストレージ階層を提供します。
パフォーマンス分析のための可視化された統計
自動階層ポリシーを正しく調整することができるため、過去のデータはパフォーマンスの調整とストレージのプロビジョニングに役立ちます。
ユーザー定義ポリシーで自動階層化効率を改善
ポリシー定義型の自動階層化により、データまたはアプリケーションパフォーマンス要件、データ移行のスケジュール設定や優先順位付けなどに基づいてデータの動的なリアロケーションを有効にします。
SSDの柔軟な削除と変更
SSD階層においてSSDを柔軟に変更でき、RAIDグループ内でのSSDの追加と削除、グループのRAIDタイプの変更、またはSSDタイプ(SATA、M.2、QM2)の変更を行うことができます。
SSDキャッシュで常時高速化したQtier
Qtierは、同時階層化とSSDキャッシングに対応しています。このモードでは、Qtierは常時I/Oアクティビティを監視し、自動的に階層間でデータを移動しつつ、SSD読み込み専用または読み書きキャッシュでランダム読み書き操作を必要とするアクティブなデータや、階層化ストレージでその他のデータを維持します。
ストレージ技術の総合的な比較:
Qtier | フルSSD | SSDキャッシュ | |
---|---|---|---|
コスト | $ | $$ | $ |
ストレージ領域 | 大 | 小 | 大 |
利用可能な SSD 領域 | 必要に応じて拡張 | 必要に応じて拡張 | 利用できるメモリにより制限される |
データ移行方法 | スケジュールされた | いいえ | 自動 |
データ移行メカニズム | アクセス頻度に基づいてデータを移動 | すべてのデータをSSDストレージに移動 | 頻繁にアクセスされるデータをSSDストレージに複製する |
アプリケーションシナリオ | ファイル、Web、電子メールサーバー、仮想化アプリケーション、動画編集など、予測可能なI/Oワークロード。 | データベースや仮想環境など、高速で集中的なI/Oアプリケーション。 | 仮想アプリケーションまたは高解像度のビデオやオーディオ処理など、頻繁にデータアクセスが行われる環境。 |
システム要件 : 2GB RAMとQTS 4.4.1(またはそれ以降)を搭載したQNAP x86ベースNAS(IntelまたはAMD)または64ビットARMベースNAS。サポートの詳細は各モデルの仕様をご参照ください。