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2020年春頃にリリースされてQNAP新OSのQuTS hero。まだまだ未知な部分が多いので弊社でも検証しながら、皆さまに情報提供していきたいと考えています。今回はQuTS heroに搭載されているインライン重複排除/圧縮機能がどの程度有効なのかを社内検証してみました。
検証環境は下図の通りです。
・1台のQuTS hero NAS上に2つのストレージプールを作成。
・ストレージプール内に共有フォルダを作成。
・2つの共有フォルダ間でデータレプリケーション(検証時点ではSnapSync機能が未搭載のため、RTRRで実施)
・2TBデータは実際に社内で利用されているファイルサーバのデータを利用。
・レプリケーション先の共有フォルダ(プール2)はシックプロビジョン(Thick)形式とシンプロビジョン(Thin)形式の2通りで試験。
<プロビジョニング形式の違い>
シックプロビジョニング:共有フォルダ作成時にストレージプール上で領域を事前に確保する。
シンプロビジョニング:領域を事前確保しないで、実データ書き込み時にストレージプール上の領域を使用していく。
このため、書き込み性能についてはシンプロビジョニングはシックプロビジョニングと比べ若干性能が落ちると言われている。今回の試験ではシック、シンの共有フォルダ間でレプリケーション書き込み性能にほとんど差は見られませんでした。
この試験環境では、興味深い結果が出ました。
・シンプロビジョニング形式で共有フォルダを作成した時、重複排除+圧縮のデータ削減率が40%を超えた。
・一方でシックプロビジョニング形式の場合、データ削減率はシンプロの1/4程度だった。
注意:データのタイプやデータの質によって、重複排除/圧縮率は大幅に変わってくる可能性があります。
結論としては、QuTS heroのインライン重複排除/圧縮によりデータ削減率を高めたいのであればシンプロビジョン形式による共有フォルダ作成、わずかでも性能重視であればシックプロビジョン形式での共有フォルダ作成をお勧めします。
下図は実際の共有フォルダ作成画面で、この中でシック/シンプロビジョンの指定が出来ます。
2020/9/7 TS