メモリーをアップグレードすることで、NASの処理速度が上がることはもちろんですが、
データの安全性までもUPするとはどういうことなのでしょうか。
今回、弊社にて4GBメモリーを搭載したNASと32GBメモリーを搭載した同型番のNAS2台を使用して、
検証を実施しましたので、その結果とともにご紹介致します。
今回検証に使用したNASはTS-EC1280U-RPです。
![TS-EC1280U-RP TS-EC1280U-RP](https://www.forcemedia.co.jp/company/press/images/ts-ec1280u-rp/@@images/81b5e14a-5515-45e8-ba90-7090ae0e443e.jpeg)
標準搭載メモリーが4GBとなり、最大32GBまでメモリー増設が可能なNASです。
検証内容
・リビルド
→RAID5の状態からHDD1本を抜き取り、RAID低下モードの状態からリビルド
リビルド速度が上がることで、より速くRAID復旧が完了できることを検証にて確認します。
・バックアップ
バックアップ速度が上がることで、より速くデータ保護ができることを検証にて確認します。
→3パターンで検証
1.RTRR(NAS to NAS)でのバックアップ
![RTRR-backup.png RTRR-backup.png](https://www.forcemedia.co.jp/blog/images/qnap-option/RTRR-backup.png/@@images/b643a09d-515f-4cb2-ac35-cf8865745278.png)
2.RTRR(NAS to NAS)での一方向同期
![RTRR-onewaysync.png RTRR-onewaysync.png](https://www.forcemedia.co.jp/blog/images/qnap-option/RTRR-onewaysync.png/@@images/0943f220-d2a7-48c5-a964-028a12ceeec8.png)
3.Rsyncサーバーを使用し、NASへ一方向同期
![Rsync-onewaysync.png Rsync-onewaysync.png](https://www.forcemedia.co.jp/blog/images/qnap-option/Rsync-onewaysync.png/@@images/3d2cf8af-fb68-43a3-a960-f4de81637bf5.png)
・ファイルシステムチェック
ファイシステムチェックの速度が上がることで、より速くファイルの修復が完了できることを検証にて
確認します。
・アンチウイルススキャン
アンチウイルスのスキャン速度が上がり、より速くウイルスを検出、対処が可能となることを検証にて
確認します。
・マルウェアリムーバーのスキャン
マルウェアリムーバーのスキャン速度が上がることで、より速くマルウェアを検出、隔離することが
可能になることを確認するため、検証を行います。
![MalwareRemover.png MalwareRemover.png](https://www.forcemedia.co.jp/blog/images/qnap-option/MalwareRemover.png/@@images/db48e842-a6ee-4dc6-9401-6d6d1ec1af05.png)
・ブロックスキャン
ブロックスキャンの速度が上がることで、より速くHDDに障害が発生していないかを検査することが可能です。
それによって、より早くHDD交換の対応を進められ、復旧させることが可能であることを検証にて確認します。
![blockscan.png blockscan.png](https://www.forcemedia.co.jp/blog/images/qnap-option/blockscan.png/@@images/e91918f8-88d3-4c09-bdab-c219eafbeb1d.png)
・SMARTテスト
SMARTテストの速度が上がれば、より速くHDDに障害がないかを検査することが可能です。
それによって、より早くHDD交換の対応が進められ、復旧させることが可能であることを検証にて確認します。
![SMARTtest.png SMARTtest.png](https://www.forcemedia.co.jp/blog/images/qnap-option/SMARTtest.png/@@images/eda621c4-30e0-4b6b-b25e-fc7b4a857865.png)
・起動時間
起動速度が上がることで、データ復旧時などにより早く起動しデータの復旧ができることを検証にて
確認します。
検証結果 ~メモリー4GB VS メモリー32GB~
第1回戦 リビルド
32GB搭載の場合、23%短縮
第2回戦 バックアップ
1.RTRR(NAS to NAS)でのバックアップ
32GB搭載の場合、11%短縮
2.RTRR(NAS to NAS)での一方向同期
32GB搭載の場合、20%短縮
3.Rsyncサーバーを使用し、NASへ一方向同期
32GB搭載の場合、13%短縮
3パターンで検証したところ、なんとRTRRでの一方向同期が一番速度の短縮が見られました。
バックアップと同期で動作は異なりますが、スピードを重視したい場合は、
RTRRでの一方向同期がお勧めかもしれません。
第3回戦 ファイルシステムチェック
32GB搭載の場合、14%短縮
第4回戦 アンチウイルス
32GB搭載の場合、13%短縮
第5回戦 マルウェアリムーバー
両者引き分け
4GB、32GB搭載どちらの場合でも処理時間は変化なし
第6回戦 ブロックスキャン
32GB搭載の場合、36%短縮
第7回戦 SMARTテスト
32GB搭載の場合、34%短縮
第8回戦 起動時間
32GB搭載の場合、5%短縮
NAS起動時にメモリーチェックが走るため、メモリー32GB搭載のNASの場合、
メモリーの枚数が増えるためにメモリー4GBの場合と大きな差が出なかった可能性が考えられます。
マルウェアリムーバーのみ引き分けとなりましたが、32GBの方が8戦7勝という結果になりました。
※実際にNASを構築している環境や使用している製品やNASに格納されているデータ容量によって、結果は異なる場合はございます。
メモリーをアップグレードすると、アップするのは速度だけではない
検証の結果、メモリー増設をすることで、NASのデータ処理速度が向上します。
それによって、リビルド、バックアップ、ファイルシステムチェック、ブロックスキャンなどのデータ保全機能の向上が見られました。
メモリーを増設することで、NAS内の大切なデータの安全性UPを実現することができます。
メモリーを増設してNASをより快適に、安全に利用しましょう。
■DDR4 SO-DIMM 8G
![DDR4_SO-DIMM_8G.jpg DDR4_SO-DIMM_8G.jpg](https://www.forcemedia.co.jp/blog/images/qnap-option/s0umey/@@images/f7ff411a-faac-4b6c-a5a7-ffd12e897f11.jpeg)
2021/6/9 YS