メモリーをアップグレードすることで、NASの処理速度が上がることはもちろんですが、
データの安全性までもUPするとはどういうことなのでしょうか。
今回、弊社にて4GBメモリーを搭載したNASと32GBメモリーを搭載した同型番のNAS2台を使用して、
検証を実施しましたので、その結果とともにご紹介致します。
今回検証に使用したNASはTS-EC1280U-RPです。
標準搭載メモリーが4GBとなり、最大32GBまでメモリー増設が可能なNASです。
検証内容
・リビルド
→RAID5の状態からHDD1本を抜き取り、RAID低下モードの状態からリビルド
リビルド速度が上がることで、より速くRAID復旧が完了できることを検証にて確認します。
・バックアップ
バックアップ速度が上がることで、より速くデータ保護ができることを検証にて確認します。
→3パターンで検証
1.RTRR(NAS to NAS)でのバックアップ
2.RTRR(NAS to NAS)での一方向同期
3.Rsyncサーバーを使用し、NASへ一方向同期
・ファイルシステムチェック
ファイシステムチェックの速度が上がることで、より速くファイルの修復が完了できることを検証にて
確認します。
・アンチウイルススキャン
アンチウイルスのスキャン速度が上がり、より速くウイルスを検出、対処が可能となることを検証にて
確認します。
・マルウェアリムーバーのスキャン
マルウェアリムーバーのスキャン速度が上がることで、より速くマルウェアを検出、隔離することが
可能になることを確認するため、検証を行います。
・ブロックスキャン
ブロックスキャンの速度が上がることで、より速くHDDに障害が発生していないかを検査することが可能です。
それによって、より早くHDD交換の対応を進められ、復旧させることが可能であることを検証にて確認します。
・SMARTテスト
SMARTテストの速度が上がれば、より速くHDDに障害がないかを検査することが可能です。
それによって、より早くHDD交換の対応が進められ、復旧させることが可能であることを検証にて確認します。
・起動時間
起動速度が上がることで、データ復旧時などにより早く起動しデータの復旧ができることを検証にて
確認します。
検証結果 ~メモリー4GB VS メモリー32GB~
第1回戦 リビルド
32GB搭載の場合、23%短縮
第2回戦 バックアップ
1.RTRR(NAS to NAS)でのバックアップ
32GB搭載の場合、11%短縮
2.RTRR(NAS to NAS)での一方向同期
32GB搭載の場合、20%短縮
3.Rsyncサーバーを使用し、NASへ一方向同期
32GB搭載の場合、13%短縮
3パターンで検証したところ、なんとRTRRでの一方向同期が一番速度の短縮が見られました。
バックアップと同期で動作は異なりますが、スピードを重視したい場合は、
RTRRでの一方向同期がお勧めかもしれません。
第3回戦 ファイルシステムチェック
32GB搭載の場合、14%短縮
第4回戦 アンチウイルス
32GB搭載の場合、13%短縮
第5回戦 マルウェアリムーバー
両者引き分け
4GB、32GB搭載どちらの場合でも処理時間は変化なし
第6回戦 ブロックスキャン
32GB搭載の場合、36%短縮
第7回戦 SMARTテスト
32GB搭載の場合、34%短縮
第8回戦 起動時間
32GB搭載の場合、5%短縮
NAS起動時にメモリーチェックが走るため、メモリー32GB搭載のNASの場合、
メモリーの枚数が増えるためにメモリー4GBの場合と大きな差が出なかった可能性が考えられます。
マルウェアリムーバーのみ引き分けとなりましたが、32GBの方が8戦7勝という結果になりました。
※実際にNASを構築している環境や使用している製品やNASに格納されているデータ容量によって、結果は異なる場合はございます。
メモリーをアップグレードすると、アップするのは速度だけではない
検証の結果、メモリー増設をすることで、NASのデータ処理速度が向上します。
それによって、リビルド、バックアップ、ファイルシステムチェック、ブロックスキャンなどのデータ保全機能の向上が見られました。
メモリーを増設することで、NAS内の大切なデータの安全性UPを実現することができます。
メモリーを増設してNASをより快適に、安全に利用しましょう。
■DDR4 SO-DIMM 8G
2021/6/9 YS