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仮想マシンのバックアップはQNAP NASだけでOK (1/2)

QNAPからHyper Data Protector (HDP)という、VMware ESXiサーバおよびMicrosoft Hyper-V上で動作する仮想マシンをバックアップする無償アプリケーションの発表が今年(2020年)の夏にありました。

Hyper Data Protector | 無制限のVMware®とHyper-V環境を無料でバックアップ | QNAP

QNAP HDPは最初はベータ版として全世界のユーザに提供され、フィードバックを得ながら修正を加えて、今年の秋頃に正式版としてQNAP AppCenterから無償でダウンロード出来るようになっています。

 

このブログではHDP製品紹介を2回に分けておこなって行きます。

第1回: 製品紹介 & 利点

第2回: 弊社検証内容紹介

 

今回は第1回目の製品紹介と利点の説明をしていきます。

 

仮想マシン用のバックアップソフトウェアは既に複数のメーカーから販売されています。そんな中、NASメーカーであるQNAPが提供することにより何が違ってくるのでしょう?

 

以下の絵を見れば答えは明らかだと思います。

・バックアップソフトウェアを購入する必要が無くなる。

・バックアップソフトウェアを稼働させるためのサーバ及びOSを購入する必要が無くなる。

 

このことによる利点は明白ですね。

・導入時製品コストが減る(サーバとOSが不要なことにより)

・導入時設計コストが減る (機器構成が少なくなることにより)

・運用管理が楽になる (機器構成が少なくなることにより)

・複雑なライセンス体系に悩む必要がなくなる (QNAP HDPはAppCenterから無償ダウンロードして使うだけ)

 

 

但し、HDPは有償サードベンダー製バックアップソフトウェアにある高機能(例えば、大規模環境における統合バックアップ管理、VM上のデータベース整合性を意識したバックアップ取得、クラウド連携、等)は提供しておりません。そういった点はHDPが有償ソフトに劣りますが、シンプルに仮想マシンのバックアップという目的であれば充分と言えます。

 

 

QNAP HDPで出来ることを簡単にお伝えすると以下の通りとなります。

・ハイパーバイザー上で稼働する仮想マシン(VM)のバックアップ

・ESXiではエージェントレスのバックアップ (但し、Hyper-VはQNAP Agentのインストール必要)

・増分バックアップおよびスケジューリング

・グローバル重複排除

 

 

まず、バックアップ対象はESXi / Hyper-V上で稼働している仮想マシン(VM)になります。下の図で説明すると、ピンク色の部分のみがバックアップ対象ということになります。

2020年12月時点でサポートしているESXiバージョンは6.0 / 6.5 / 6.7 / 7.0、Hyper-Vは2016と2019になります。

バックアップ実行時のおおまかな流れは以下の通りです。

  1. QNAP HDPがバックアップジョブを実行。その際にVMware ESXi / MS Hyper-VとAPI連携をする。
  2. ESXi / Hyper-V側の持つ変更ブロックトラッキング機能(Vmware CBT (Change Block Tracking)、Hyper-V RCT (Resilient Change Tracking))により増分ブロックを検出して、HDP + NASにバックアップ保存する。
  3. NASに保存されたデータは重複排除でデータ削減することが出来る。

次回のブログ記事では実際の操作画面等をお見せいたします。

2020/12/17 TS